このページでは消費者トラブル、悪徳商法についての法律、相談事例を解説します。
1:クーリングオフ期間内なら契約解除できる。
訪問販売や電話勧誘による契約は、一定の期間内(取引によって異なる。ふつう8日が多い。)であればクーリングオフ制度によって理由にかかわらず契約解除できます。
2:クーリングオフによる契約解除の通知は、内容証明郵便を使う。
クーリングオフによる契約解除は書面で行う必要があります。しかし、それだけでは安心できません。悪徳業者はそのような通知を受け取っても、受け取ってないとうそをつく可能性があるからです。ですから、その書面は内容証明郵便にするのが賢明です。通知書には契約日、商品名・サービス名、金額をはっきり記載します。
3:クーリングオフの通知書を出してからいつ効力が発生するのか。
クーリングオフの場合は、意思表示が発信された時点で効果が発生します。ですから、契約解除の内容証明を発信して、届いたのがクーリングオフ期間をすぎていたとしても契約解除は有効です。
4:クーリングオフの場合、すでに支払った代金はかえってこない?
クーリングオフによって契約解除されると、はじめから契約をしなかったことになるので支払った代金は全額返還されなければなりません。また、受け取った商品の送料も業者の費用負担になります。
5:悪徳商法でクレジットを組まされてしまったが、支払い続けなければならないのか?
詐欺にあったなどを理由に契約を取り消したりする場合は、その旨をクレジット会社に通知して、それ以降の支払いを拒絶できます。(割賦販売法30条の4)これも内容証明郵便で通知しておくのが確実です。
6:クーリングオフができる契約と契約解除できる期間
★ 訪問販売(特定商取引法9条)……8日
★ 電話勧誘販売(特定商取引法24条)……8日
★ 連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)(特定商取引法40条)……20日
★ 特定継続的役務提供(エステ、英会話、学習塾、家庭教師)(特定商取引法48条)……8日
★ 業務提供誘引販売取引(いわゆる内職商法)(特定商取引法58条)……20日
★ クレジット契約(割賦販売法4条の4、29条の4、30条の6)……8日
など
7:消費者の強い味方、『消費者契約法』
従来民法では契約の当事者が対等であることを前提としていましたので、悪徳商法のトラブルでは情報がある事業者の方が巧妙な手口を使い、情報の少ない消費者の方が圧倒的に不利な立場におかれていました。消費者契約法はそのような弱い消費者の立場を考慮して生まれた特別法です。事業者に次のような行為があった場合、契約を取り消すことができます。
① 重要事実の不実の告知
たとえば、ただのお茶をやせる成分が入っていると言って買わせたり、偽者のヴィトンのバッグを本物と言って買わせたりするように、重要な事実についてうそを言って買わせることです。
② 重要事実の不告知
消費者に不利になることを黙っていることです。たとえば、駅から3分でいける賃貸マンションをさがしていたのに、実はあかずの踏み切りがあり朝の通勤ラッシュ時は15分以上もかかることを黙っていた場合がこれにあたります。
③ 断定的判断の提供
たとえば、ぜったい儲かもうかりますといって株を買わせるようなことがこれにあたります。
④ 不退去・退去妨害
セールスの人が帰ってくれといっても帰らない、また、店舗に話を聞きにいったら、大勢に囲まれ契約するまで帰してくれなかったので、怖くなってしまって契約してしまったといったケースです。
契約を取り消せる期間は、消費者が本当のことを知ったときから6ヶ月、または契約したときから5年です。