不当解雇・パワハラ

不当解雇

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このページではよく相談のある労働問題の事例と関係する法律について解説します。

 

相談1:使用者と馬が合わず、理不尽な理由で解雇された。

判例上、解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当として是認できない場合には、権利の濫用として無効とする立場が確立されています。ですから、経営不振による人員整理、労働者が働けない、あるいは著しく適格性を欠くとき、重大な服務規律違反があったときなど、やむをえないと思われる理由が必要です。性格が合わないとか、数回遅刻をした程度の理由などで解雇をすると解雇権の濫用として無効とされます。
不当な理由で解雇された場合は、裁判所に従業員たる地位を確認し、未払い賃金の支払いを命じる判決をもらうことができます。また、慰謝料などの損害賠償も請求できます。

 

相談2:根も葉もないことを言われて、退職強要されている。

前述のとおり、不当な理由による解雇は損害賠償請求されることになりますから、経営者の中には、嫌がらせをしたり、本人の自尊心を傷つけるようなことをして会社にいたたまれなくして自己都合扱いで退職させようとする人もいます。
濡れ衣を着せられて退職届を出さないと懲戒解雇にすると脅されるようなケースもありますが、このようなことで自己都合扱いで退職してしまうと、後日裁判で争っても、懲戒解雇にするなどと言った覚えはない、あなたが勝手に辞めたのだとシラを切られるのがおちでしょう。
このようなときは解雇理由の明示を書面で要求するとよいでしょう。労働基準法第22条ではそのことを使用者に義務づけています。経営者が拒否する場合は、内容証明で請求しておけば、後日裁判になったときの重要な証拠になります。

 

相談3:上司の陰湿ないじめに合い退職したが、慰謝料は請求できる?

嫌がらせも程度が過ぎれば人格権を侵害するものとして不法行為が成立します。ですから、陰湿な上司のいじめで退職にいたったような場合、上司に対して損害賠償請求できます。また、会社にはそのような職場環境を放置した使用者としての責任がありますから、会社にも損害賠償請求できます。
万一、いじめが原因で退職したあと裁判などで損害賠償を請求しようと考える場合は、いじめの事実を立証しなければいけませんから、証拠になりそうな書類はすべてコピーして保存しておくとよいでしょう。また、されたことについて日記のように記録をつけておくと、それも証拠のひとつになります。

 

相談4:採用内定を取り消されたが、損害賠償を請求できるか。

使用者が天災、その他やむをえない事由がないのに採用の内定を取り消すときは、それに対し内定者は損害賠償を請求することができます。
内定がとり消せるのは、たとえば、使用者と内定者の信頼関係を破壊するような事実が内定者にあったときとか、著しい経済事情の変動があったときのような場合に限ります。
最高裁判例では、社会通念上、相当と認められる事由によるほかは内定を取り消しえないとしています。重大な経歴詐称があったとか、刑事事件をおこしたとか、不況で人員整理が必要といった理由がないかぎり、内定取り消しは無条件に認められないでしょう。

 

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