A.一定の場合には、被害者はセクハラの加害者を刑事告訴できます。
セクハラを理由に加害者を刑事告訴したいと思っても、一般に「セクハラ」と呼ばれているものがすべて刑事罰の対象になるわけではありません。
セクハラが、刑法上の名誉毀損罪や公然侮辱罪、強制わいせつ罪、強姦罪などにあたる場合に刑事告訴が可能です。
また、悪質な噂を流して労働者としての人格的な評価を貶められたような場合には名誉毀損罪に、職場で大勢の人がいる前で性的に侮辱的な発言を行ったような場合には公然侮辱罪に、抱きついたりキスをしたりした場合には強制わいせつ罪に、相手の意思を抑圧して性的関係を強制した場合には強姦罪になります。
また、ストーカー行為をした場合には、ストーカー行為等規制法に基づき告訴をすることもできます。
刑事告訴の場合には、加害者の行為が刑法上の犯罪に当たることを立証しなくてはならず、その立証の程度は民事訴訟の場合よりもより厳格に求められることになるため、起訴が困難である場合も多数あります。
ただし、刑事上の告訴が認められなかったからといって、民事上の責任が否定されるわけではないので、損害賠償請求をするなど、最後まで加害者の責任を追及することを諦めないことが大切です。