Q.整理解雇とは?
A.企業が経営不振に陥ったときに、複数の労働者に対して行われる人員整理による解雇のことです。
解雇とは、会社が労働者との労働契約を解消することです。
使用者が労働者を解雇するためには、就業規則などで定められた一定の事由が必要です。
その中で特に整理解雇とは、企業が経営不振に陥ったときにやむを得ず複数の労働者に対して行われる人員整理のことを言います。
Q.整理解雇が正当なものであるとして認められるのはどのような場合ですか。
A.整理解雇をしなければならないほどのやむをえない事由が存在していて、使用者側が指名解雇を回避するために極力努力したことが求められます。
人員整理が許されるか否かは、それが就業規則所定の解雇基準である「やむをえない事由」に相当するか否かが判断基準となります。
人員解雇というのは、労働者側にではなく使用者側に責任があるとしつつも、会社の存続のためにやむを得ず解雇することを認めるものなので、特定の事態がこの「やむをえない事由」に該当するか否かの判断には厳格に行われることになります。
つまり、経営不振に陥った原因は、景気の悪化や経営者の見通しの甘さなど、少なくとも労働者の責任ではない事由によって生じることが多いので、その分、労働者の保護のために使用者に対して厳しく判断されるということなのです。
そして、整理解雇が許されるためには、このような「やむをえない事由」が存在するか否かだけではなく、使用者が指名解雇(特定の労働者を指名して一方的に解雇すること)を極力回避するために、労働者を配置転換するとか希望退職を募るなどの経営努力をしたかということが具体的に検討されます。
Q.整理解雇をするためにあらかじめしておくべきことはありますか。
A.労働者の納得を得るための説明や協議が必要です。また、30日前の通知か30日分以上の平均賃金の支払いが必要です。
整理解雇をするためには、労働者の納得を得るために説明を行い、協議する必要があります。
また、通常の解雇の場合と同様に、30日前の通知か、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)の支払いが必要です。