2ちゃんねるなどの巨大掲示板やブログをはじめとして、インターネット上での名誉毀損は増える一方ですが、なかなかこういう事案で警察が動いたと言う話は聞きません。しかし、ここ数年、徐々にインターネット上における中傷、名誉毀損を事件として扱うケースが増えてきているようです。
今回報道された事件(2012年1月)は、某人気お笑いタレントAに強姦されたと言う女性が、掲示板2ちゃんねるにAに強姦されたとする告訴状をはりつけ、これにたいし、Aが名誉毀損罪で警察に訴え、女性が逮捕されたというものです。
女性は出張エステ嬢として働いていましたが、Aが自宅にエステ嬢を呼んだ際に、強姦されたと主張していました。警察は強姦はなかったとして、女性を名誉起訴罪で書類を警察に送ったということです。当初、女性は慰謝料として100万円、途中から弁護士を変えて300万円をAに請求していたようです。Aの所属するプロダクションによると、強姦の申告に虚偽性があるとして、警察は虚偽告訴罪での捜査も進めているとか・・・
ネットの上の掲示板には、実名を載せて攻撃している書き込みが散見されますが、今後は取り締まりも強化されると予想されます。
【名誉毀損罪(刑法第230条第1項)】
「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」
【虚偽告訴罪(刑法第172条)】
「人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、三月以上十年以下の懲役に処する。」
かつて、『誣告罪』(ぶこくざい)といわれていました。