Q.隣の住人が、自分の所有地を越えて建造物を建設しています。どうしたらいいでしょうか。
A.建造物が完成してしまわないうちに、ただちに指摘して取り除いてもらうようにしましょう。
土地が隣家のものと隣り合っている場合、隣家が所有地の部分を超えて自分の土地まで侵入した建造物を立てているような場合があります。
この場合は、いったん建造物が完成してしまうと、裁判所は損害賠償のみで決着をつけようとするのが一般的ですから、建設の工事が進行中である段階でただちに指摘をする必要があります。
この場合、土地の所有者は自分の土地についての妨害を排除する妨害排除請求権という権利を持っていますから、これに基づいて請求することになります。
隣家に対して内容証明郵便を送り、ただちにはみ出した部分を撤回してもらうようにしましょう。
Q.建物は境界のぎりぎりに建ててもいいのですか。
A.通常の建物は、境界線よりも50センチ以上の距離をおいて建設しなければなりません。
民法では、建物は境界線よりも50センチ以上の距離をおいて建設しなければいけないと規定しています。
詳細な規定は建築基準法などに定められていますが、これに反した建築物は違法建造物ということになるので注意しましょう。
Q.日照権とは?
A.自分の家の敷地内に、十分な日光が当たることを確保する権利です。
自分の家の隣に大きなマンションなどがたつことによって、自分の家が日陰になって十分な日光が当たらなくなるというようなことがあります。
このような場合、日照権の侵害を主張して、まだ建設前の建物に対しては裁判所に建設工事の差し止めを請求したり、建物が建ってしまった後であれば日照権の侵害に対する損害賠償請求をするということが考えられます。
Q.すでに工事が終わってしまった建物のせいで、自宅の日照権が侵害されました。どのような措置をとったらいいでしょうか。
A.受忍限度を超える不都合については、損害賠償を請求できます。
日照権を侵害する建物でも、既に工事が終了して建物が完成している場合には、これを取り壊すことを請求するのはできないのが実情です。
そのような場合には、社会生活上我慢すべきであると考えられる程度以上の不都合については、不法行為に当たるものとして、損害賠償を請求できます。
地方自治体が建築基準に関する条例を定めている場合には、条例の規定に基づいて損害賠償を請求することになります。
損害賠償額の算定についてはいろいろな事情が絡みますので、法律の専門家に相談するのがいいでしょう。