内容証明郵便

31:家主の疑問

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Q.借家人が家賃を滞納しているのですが、契約解除できますか。

A.催告(催促)をしてそれでも支払われない場合には、契約解除をすることもできます。

借家人は、家を借りる権利を有すると同時に、家主に対してその分の家賃を払うという義務を負っています。
ですから、借家人が家賃を支払わない場合、借家人が最も重要な契約上の債務を履行していないことになり、貸主は契約を解除することができます。
ただし、家賃滞納を理由として契約を解除する場合には、借家人に対して、相当期間(通常は1~2週間内)に家賃を払うように催告(催促)をする必要があります。
そして、この一定期間内に家賃が支払われない場合に初めて、契約解除をすることができるのが原則です。
なお、家賃の支払いの催告と解除の通知を一度にすることもできます。

 

Q.期間の定めのない賃貸借契約は、賃借人から解約の申し入れがあったらすぐに契約の終了になるのですか。

A.原則として、賃借人の解約申し入れ後3ヶ月経過後に終了することになります。

賃貸借契約には、期間の定めがある場合と、期間の定めがない場合とがあります。
期間の定めのない契約の場合には、更新や更新拒絶の問題は生じません。
期間の定めのない契約の場合には、家主も借家人もいつでも解約申し入れをすることができますが、借家人が解約を申し入れた場合には、そのときから3ヶ月経過した後から賃貸借契約が終了することになります。

 

Q.家主から、期間の定めのない賃貸借契約の解約をしたい場合にはどうしたらいいですか。

A.正当な事由があって解約の申し入れをした場合に限り、半年前後に賃貸借契約が終了します。

賃借人からは事由に解約申し入れができるのと異なり、家主から解約を申し入れするのには、正当な事由が必要になります。
裁判では、正当な事由の有無の判断において、家主または賃借人がその建物の使用を必要とするという事情の有無が中心に考慮されますが、そのほかに、建物の賃貸借に関するこれまでの経過や建物の利用状況、建物の現況(老朽化して建替えが必要かなど)なども判断の材料とされます。
また、立退き料や代替建物の提供の申し出があったかということも考慮されます。
そして、家主が解約申し入れをした際には、借地借家法の規定に従って、申し入れから6ヶ月経過した時点で賃貸借契約が終了することになります。

 

Q.契約が続いている段階で、賃料の値上げ請求をすることは可能ですか。

A.可能です。

地価が上がって税金がはねあがるなど、建物の賃料が、経済事情などによって不相当になる場合があります。
そのような場合、建物の賃貸借契約を交わしている当事者は、契約条件に関わらず、将来に向かって家賃の値上げや値下げを請求することができます。
ただし、建物の賃貸借において、当事者が家賃の増減を一定期間しない旨の取り決めがある場合には、その特約に従うことになります。

 

Q.借家人とのトラブルを避けるために、どのような方法をとるのが適切でしょうか。

A.あらかじめ口頭で説明をしたり、値上げするまでに余裕を持たせたりするのが適当でしょう。

値上げの請求も、内容証明郵便を送るという方法をとることができます。
そこにはきちんと値上げの理由を示し、さらに、値上げするまでに適当な余裕の期間(3ヶ月など)を設けることが適当でしょう。
しかし、何の前触れもなく突然内容証明郵便が送りつけられては、借家人も驚き、トラブルの元になる可能性があります。
このような事態を避けるためにも、借家人に対してあらかじめ口頭でよく説明をし、了解を取っておくことが不可欠になるでしょう。

 

Q.借家人は、家主に無断で借りた家を増改築していいのですか?

A.借家人は無断で増改築することはできません。

借家人は建物の所有者ではないために、家主に無断で建物の構造を変化させるような増改築を行うことはできません。
しかし、建物の構造を変化させない程度の改装や部屋の模様替えであればできるものとされています。
ただ改装や模様替えであっても、建物の構造に何らかの影響を与える場合も多く、改装にとどまるかの判断が難しいものでもあるので、たいていは、改装や模様替えの際には家主の承諾を必要とするものと定められています。

 

Q.家主の許可なしで建物の増改築をしている借家人に対してどのような措置をとればいいですか。

A.一定期間に増改築部分を撤去しなければ契約を解除する旨の通知を出すのが有効です。

借家人が家主に無断で建物の増改築をしていた場合でも、家主はこれをもってただちに賃貸借契約を解除できるというわけではありません。
契約解除ができるためには、家主と借家人との信頼関係が破壊されていることまでもが必要なのです。
たとえば、借家人は無断で増改築をしてはいけないということを知らなくて増改築を始めたが、家主の警告を受けて直ちに工事をやめたような場合には、家主は契約解除をすることはできません。
そこで、家主としては、増改築の工事をしている借家人に対して、何度も中止の要請をしておくのがよいでしょう。
そのうえで、内容証明郵便において、一定期間に増改築部分を撤去しなければ契約を解除する旨の通知をするのが有効であると考えられます。
それは、契約の解除につき後に争いになって裁判が起こった場合に、あらかじめたびたび中止を要請していたという事実があれば、借家人がそれを無視して増改築を続けたということが立証でき、信頼関係がもはや破壊されていたと判断される方向に傾くからです。
何度も中止の要請をしたという事実も、後に立証できるようにしておくことも必要でしょう。

 

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